近年、メリノウールはベースレイヤーの素材として多く使用されています。メリノウールの強みは温度と湿度の調節機能と防臭効果にありますが、課題としては肌に直接触れた時のチクチク感があります。そこで私たちは、「滑らかな肌触り」を追求して生地選びをしました。たくさんの生地から選びぬいた生地の質感は、まるでコットンのTシャツで用いられるような天竺編にも似た柔らかさと滑らかさ。着用者の行動中のストレスを極限まで軽減してくれる素材を選択しました。
従来のサムホールは、一時的に指を通すための「おまけ」のようなものが多く、通したまま活動すると袖が突っ張るなどのストレスを感じることがありました。私たちは袖の切り替えラインをあえて「ねじって」縫い合わせることで、サムホールが縫い目の上に収まるようなデザインにしました。サムホールから袖口までの長さを調整し、サムホールに親指を通した時に手の甲が綺麗に隠れ、指を外したくなくなるほどの安心感をもたらしてくれるバランスに仕上げました。
通常、アウトドア製品ではほとんど採用されることのない、独自の肩と脇の構造を取り入れています。肩の切り返しを低く設定したドロップショルダーと、脇まわりにゆとりを生み出すドルマンスリーブを組み合わせることで、高い可動性と通気性を両立。
さらに、生地そのものが高い伸縮性を備えているため、腕の上げ下げもスムーズです。脇の下に生まれた空間には自然と風が通り、行動時にこもりやすい熱や湿気を効率よく排出。ムレを軽減し、快適な着心地を保ちます。ゆとりのあるシルエットでありながら、レイヤリングした際にも違和感が出ないよう、ボリューム感まで緻密に設計しています。
山で重い荷物を背負った際に裾がずり上がってしまう不快感を防ぐため、裾の長さを前後で変えています。後ろを僅かに長くすることで、ザッククのボトム部分が引っかかることがなく常に最適なポジションをキープします。また横から見た時に感じる裾の長さの違いが、シルエットの美しさにもなっています。
背面のセンターにある縫い目には、大切な意味があります。これは「生地のロス(無駄)を最小限に抑える」という、環境的な配慮から生まれたものです。一枚の大きな生地からパズルのように裁断の仕方を組み合わせることで、できるだけロスを減らして徹底的に使い切りました。このこだわりは、RIVの同時発売製品「メリノウール・ネックゲーター」の展開にも繋がっています。縫製のコストが上がってでも、出来る限り無駄のないものづくりを心がけています。
このプロダクトが完成するまで、パタンナーと共に議論を重ね、長い期間を費やしてきました。肩のラインを美しく見せるための縫い代の倒し方や、強度を上げるためのダブルステッチなど、はっきりとは見えにくい部分にもRIVらしいこだわりが詰め込まれています。
メリノウールは優れた温度・湿度調節機能や防臭機能をもつ高機能素材ですが、一方で縮みや虫食い、毛玉が発生しやすいデリケートな一面もあるため以下のケアをおすすめします。
- 洗濯機の弱モードで優しく洗ってください。
- タンブラー乾燥は避けてください。
- 漂白剤や柔軟剤はメリノウールの性能を低下させるおそれがあリます。
- 摩擦によって毛玉ができやすいため、洗濯時は裏返して洗濯ネットに入れてください。
- 自然乾燥がベストです。吊るすと形が歪むことがあるので、平干しがおすすめです。