自然とつながった日

自然とつながった日

文:横山 雄哉



外遊びに興味を持ち始めたのは、2017年10月に北海道で初キャンプをしてからだ。

学生時代に友人とキャンプをしたこともあったが、ほとんどハマらなかった。北海道へ引っ越したのが2017年からだが、北海道に来てからすぐに友人とキャンプをすることになり、これを機にアウトドアへの世界へのめり込んでいくことになる。


記念すべき初キャンプは、北海道の大体真ん中に位置している深川のまあぶオートキャンプ場だった。知人から借りたコールマンのテントとタープ、父から譲ってもらったSnow Peakの焚火台を携えて、友人数名とキャンプをした。

夜、焚き火を囲み、楽しい時間を過ごしていると、突然強風と大雨に見舞われて大変だったことを覚えている。自分は雨男だが、当時から猛威?を振るっていたらしい。

キャンプ2日目の朝は一転して快晴に。澄みきった空気の中で目を覚ますと、夜には見えなかった美しい景色が広がっていたことに気がつく。キャンプ場のすぐそばを流れる音江川からは、心地よいせせらぎの音が聞こえてくる。普段は朝早く行動することは少ないが、キャンプのときだけは決まって早起きをして、周囲の景色を眺めながら散歩をするようになった。そんな体験が、自然とふれあうようになったきっかけだったのかもしれない。


テント
知人から借りたコールマンのテント。このあとに大雨に

 

それからといい、キャンプギアについて狂ったように調べ始めた。たった1回のキャンプでまんまと沼にハマってしまう。

すぐにマイテントが欲しくなり、リサイクルショップでWoolrichのテントを4,000円で購入。追加のキャンプ道具をリサイクルショップで中古品を購入したり、知人から譲り受けたりで、必要なものをある程度揃えることになるのだが、テーブルと椅子の背丈が合わない状態だったり、利便性の高い状態とはとても言えなかった。ただ、それでも満足していた。

 


初のマイテント。知人宅前で試し張り。

 

 

どうしてこんなにもアウトドアに夢中になったのだろう。

今思うと、様々な体験を「充電(チャージ)」できたからだと思う。

友人との楽しい時間や美味しいご飯はもちろん、山や森の美しい景色、鳥のさえずり、川のせせらぎ、木々を揺らす風の音、心地よい雨の感触、薪がパチパチと燃える音。さらに、綺麗な星空や朝日に照らされる朝霧など、キャンプには五感で感じられる魅力があふれている。

そんな体験のひとつひとつが、いつの間にか心を惹きつけ、気づけばアウトドアの世界にのめり込んでいたように思う。


それまでの自分にとって、休みとは「暇な時間を持つこと」だった。日々の疲れを癒やすためには「何もしない時間」が必要で、その暇な時間こそが「休息」だと思っていたと思う。

日本人と海外の人とでは、休日に対する感覚が違うという話を知った。日本では、1週間の仕事の疲れを休日に「癒やす」ために過ごしているが、欧米の人たちは次の1週間のために「充電」する時間として休日を使うことが多いらしい。

休みの日に、ただぼんやりと過ごすのではなく、好きなことをして心や体にエネルギーを注ぐことが、自分にとっての理想の休日の過ごし方だと気づいた。

背景には、「仕事優先」や「働きすぎ」といった日本的な文化もあると思うが、個人的には、休みの日こそ積極的に“充電”したい。つまり、「暇でいる」のではなく、「自分を満たすための時間にする」。そんな感覚で、これからも休日を大切にしていきたい。

 

ニセコ
ニセコでの初のソロキャンプ。
羊蹄山と朝日
羊蹄山の朝焼けと朝日。
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